ここまで違う!?就活生が見ている仕事、会社が見せている仕事
「働き方改革」「ワーク・ライフ・バランス」「コンプライアンス」「モラハラ」などがメディアで頻繁に取り上げられることで、今の若者は会社や仕事、働くことに対して、どんなイメージを持っているのか。入社前に抱いている理想について考えてみます。
●ワーク・ライフ・バランス、コンプライアンス、モラハラに対する幻想
ワーク・ライフ・バランスやコンプライアンスなどニュースになっていることは、どこの会社もしっかり守っているだろう、実施しているだろうと考えています。新しいスキルを身に付けるためには、ある程度の我慢や強いられることが必要ですが、そんなことなしに勝手に給料が上がっていき、スキルも自然に身に付いていくというイメージを持っています。自分にとって都合の良いところしか見えていない、そんな若者が増えてきているようです。
●失敗する要因に対する幻想
仕事で失敗するというと、クレーム対応やコミュニケーションロスで怒らせてしまうなど人間的要因で失敗することが多いものです。入社前の若者は、上手くいく仕事しかないと思っていたり、スキル不足での失敗などしかイメージしていないことが多く、働き始めた後のギャップを大きく感じる要素の一つになっています。
●現場環境に対する幻想
ICT を使いこなし、かっこいいことをやっているイメージを抱く若者も多いですが、実際はスマホすらちゃんと使いこなせない上司が多数いる職場であったりします。これもテレビドラマなどメディアの影響と言えますが、若手イケメン俳優や美人女優のようにみなりや髪形などスッキリしたイメージの人はほとんど見当たらない現実を見ると、幻想とのギャップが大きいことがわかります。
●会社勤務に対する幻想
若者たちはアルバイト経験があることはありますが、週2 日など日数も少なく、シフトの関係で同じ人が職場にいることが少ないケースもあります。勤務時間も半日より短いことが多く、彼らの考えている会社勤務のイメージは通常の正社員と大きく異なっています。そのイメージのまま入社してから、毎日同じ人たちと顔を合わせ、長時間一緒に働くのは厳しいと感じ、苦しくなる人もいます。また、毎日同じ時間に通勤することがやってみると辛い、と感じる人もいたりします。入社前に抱いていたイメージとのギャップが大きいと、早期退職にもつながってきます。採用の場面では特に、学生が抱いている幻想を認識した上で、入社後の正しいイメージを植え付けることで早期離職や内定辞退の防止につなげることができます。中小零細企業でも採用のプロセスを見直し、職場を見学させたり、簡易なインターンシップを行なうなどの方法を実施することを検討する必要があるでしょう。