A:パイプの生産に当たって直線溶接をするのに、ハラサワではコストダウンを考えて自動機でのナメ付け溶接(溶加棒を用いずに溶接)を採用しています。しかし、加工の特性上、パイプの端部まで溶接することができません。未溶接部をなくす全面溶接を行なう際は「タブ」という溶接シロを設け、板材を切り出すことで作ります。このため、全長が150mmの未溶接なしパイプをつくる場合10mmほど余分に大きい板材を用意しなければならないのです。(タブは片側5mmの大きさです) A:Tig溶接にて加工を行うハラサワでは、通常0.5mm~2.0mmの素材を取り扱っております。しかし、裏ビードを出すことができるのは1.5mmの板厚までです。 A:ロール加工をする際に、必ず板厚の3~5倍の「残留直線部」というR(曲げ)のかからない部位が板材端部に残ります。板材が薄く、径が大きいものであればほとんど問題ありませんが、板厚が1mmを超えてくる辺りから真円度に影響が生じます。もし、真円度を追求する場合は径修正の金型を使用するか、端曲げ加工を行ないます。しかし、ハラサワで保有していない径修正が必要の場合は金型の製作が必要になります。端曲げ、径修正を行なった場合は表面に傷が生じる可能性がありますので、詳しくは弊社までご確認ください。 A:精度はおおむね±0.4mmとなっております。それ以上の精度になりますと、協力メーカーに依頼することになりますので価格、納期に影響が生じます。 A:ハラサワは立会い加工を歓迎しております。お得意様でもよく確認しながら生産を見る方もいらっしゃいます。同時に工場見学もお受けしておりますので、お気軽にご相談下さい。技術について
そもそも「未溶接部なし」の仕様は強度向上のために行っているもので、後工程でパイプにフレア(拡管)や絞り(縮管)がされることを前提として必要とされる追加加工です。条件によっては非常に高価な加工になってしまうので、欠かせない場合を除いて未溶接なしをご指定されるのはお勧めいたしません。