営業の初手 ~営業成功のステップ~
御社では営業で新人をどのように指導しているでしょうか。「頑張るように言っているけど上手くいってない」方も多いでしょう。そもそも新人が掲げられた目標を達成できない理由の一つには、「その手段を知らない」というパターンがあります。少しご自身が案件を獲得するまでのプロセスを冷静に解析してみてください。営業プロセスをチャート状に表現したものはネット上でも数多あるのでここでは『種まき⇒深耕⇒売り込み⇒商談⇒受注』とざっくりまとめておきますが、恐らくあなたがいつも踏んでいる営業プロセスも大まかにまとめるとこんな感じになるはず。上手くいかない新人はプロセスの初期段階ですでに躓いているかもしれません。こうして考えていくと新人が売り上げ目標の達成を焦るあまり、かなり強引な営業をしている姿や、目標に対してどうしていいかわからず、途方に暮れている姿が目に浮かぶのではないでしょうか。つまり新人の営業活動には「種まき」や「深耕」のプロセスに問題がありそうなわけで、ここに解決の糸口があると推測されます。
当然ながら営業目標に対していきなり直接売り上げを狙っても制約は困難です。むしろ売りの姿勢が強すぎると、買うか買わないか熟考されるような商材や、意思決定にいくつもの承認工程を経るB to Bの取引の場合はそれがマイナスに働くのがみなさまにも容易にご想像いただけるはず。ではどうするか。
営業活動を単純な確率論に置き換えてみると、例えばの話で展示会などの機会に名刺交換した企業が500社あったとして、その後僅かでも関心を寄せてくれる企業があったとしてフォローアップの挨拶にアポイントが取れる企業は200社。この200社の中で自社の商材を本当に買おうとする企業が何社あるか。案件にして幾つになるか。海千山千のみなさまであれば概ねイメージが出来るはず。各ステップを経るごとに最初の母数からフィルターで濾されるように、受注に至る案件は減っていくもの。最終的な受注の数を増やすなら最初の母数を増やすか、各ステップで脱落する見込み客や案件の数を減らす方法を考えることになります。
そこで取るべき手段は母数を増やす努力をするか、各ステップの脱落率を減らす方法を考えることになるわけですが、営業の一担当ができる手段として「母数を増やす」はなかなか大変。だったら少しでも有効な営業トークをさせる必要があります。その手段として『自社のパンフレットの内容を暗唱できるレベルで覚えさせる』という方法があります。ただ暗唱するのではなく、それぞれのページに対してなにか質問が来てもある程度答えられるようにするのです。仮に分からない質問に直面してもニッコリ余裕の笑みを浮かべて「確認いたしますので次回のご訪問までご猶予ください」と切り返すくらいにさせられれば、新人の営業成績はかなりいい線行くようになるでしょう。深耕の初期プロセスでこのレベルの営業トークをさせられるようになれば、マネージャーが種の撒き先を誤っていない限り、かなり良い結果が得られるはず。パンフレットはよほどいい加減なものでない限り、営業のエッセンスが詰められた内容で作られます。それをしっかり使えるようになれば自ずと営業スキルも引き上げられるはず。営業の上手くいかない新人にこそ、基礎をきっちり仕込むべきなのではないでしょうか。
最初の挨拶や名刺交換をきちっとこなす。
自社の概要や事業内容、製品についてしっかり説明する。相手の事業内容や商材、仕事についての話が聞けたなら、そこから予想される自社の商材や製品がそこにどうマッチするのかを少しでも話せたら、なお良いでしょう。
営業の初手では「きちんと自社製品のことを説明する」に尽きると言えます。