「すぐに辞める若手社員は根性なし」はもう古い!?若手社員が会社を見限る2 つの理由
若手社員は「根性がないから」すぐに辞めると思っている方も多いことかと思います。ただ、よく聞いてみると必ずしも「根性」の有無だけが辞める原因になっているわけではないようです。若手社員が会社を辞めるきっかけとはなにか、若手社員を辞めさせないようにするにはどんなことを意識すればよいのか。若手社員が退職を考えるきっかけとなる要素を探ってみましょう。
米国の心理学者ハーズバーグは、仕事において動機づけにつながる要因に2 つの種類があると唱え、その理論は「二要因論」と呼ばれています。それぞれ「動機づけ要因」と「衛生要因」とし、一つ目はなければないで不満はありませんが、この要因があるとどんどん人がやる気になるというもの。「達成」や「承認」、「仕事そのもの」や「成長」などが挙げられ、具体的には、仕事で達成感を感じたり、周囲から能力などを認められたり、自身のスキルの成長を感じることなどが考えられます。主に心情に由来するため「内発的要因」とも呼ばれ、一度与えると効果が長く続くという特徴があります。
もう一方の「衛生要因」は、あっても満足度の向上につながるわけではないですが、ないと不満に感じる要因となるものです。「賃金」や「その他の待遇などの条件」、「作業条件」、「経営方針」などがあり、具体的には給与が上がる、休みが増えるなどが考えられます。会社の制度や周囲の環境によって決まるため、「外発的要因」とも呼ばれます。一度与えても効果がすぐに薄れてしまうという「動機づけ要因」とは真逆の特徴があります。
そもそもの原理は以前と変わりありませんが、具体的にどういうポイントが重視されるかがみなさんと若手社員では異なってきているのです。今の若者が感じるそれぞれの要因について考えていきます。
●動機づけ要因
以前は「上司から褒められる」ことが動機づけ要因として成立していましたが、上司より「友人」や「同期」、「親」などから認められる、褒められることの方がその要因としての役割を果たしています。SNS の発達や周囲の友人との関わり方の変化などから、そうなったとも考えることができます。私自身、学生時代の同級生との飲み会に行くと、今はどんなすごい仕事をしているか、自慢大会のような流れになることが多いです。まさに承認を求めている人が多いことが感じられます。
●環境要因
以前は給与などを重視する方が多かったかもしれませんが、今の若者はあまり給与の高さを気にしていない人が増えているように見受けられます。それよりも、会社の方針がコロコロ変わる、上司の指示が朝令暮改で変わるといった一貫性のない指示や方針などが今の若者を幻滅させる大きな要因となっています。
環境要因がしっかりと満たされていることが前提ではありますが、それだけでなく動機づけ要因も意識した上で、今の若者に合うように実践していくことが重要です。