新シリーズ・科学技術紹介 第一回「ウレタン」

名前はよく聞く「ウレタン」とはどんなもの?

思考中営業Aさん:「ん? 得意先様から製品の相談
メールだ。…え? スタビングした板を加工したい? パイプに? …でもスタビングの板を丸めたりしたら潰れるんじゃ…?」

sutabingu_ka-ru1ハラサワは例えエンボス加工が施された製品でも、ロール加工ができます。それは二軸ロール機を使っているからですが、なぜそれが可能なのかご存知ですか。それはロールするためにウレタンを巻いた芯金を使っているからです。しかし、このウレタン。聞いたことはあっても、具体的にどのようなものなのか知らない方がほとんどだと思います。今回はウレタンとは何か、どう使われるのかをご紹介いたします。

ウレタンという名称はよく聞くかと思います。断熱性を求められるタンクや、ソファーなどにも使われています。なぜ様々な用途に使えるかというと、耐摩耗性、弾性、耐油性に優れ、ゴムのように柔らかさを兼ね備えているからです。さらに硬度の種類が
豊富であることも普及している一因でしょう。そのため応用範囲が広く、自動車のシートからスポーツウェアまで使えます。応用範囲が広いためか、プラスチックの分類を表す略号ではPU、ゴムの分類を表す略号ではUと、プラスチックでもありゴムでもある、という物質になっています。その歴史は意外と浅く、1937年にドイツのIGファルベン社が発明しました。しかし工業的に
大きく広がったのは、第二次世界大戦終了後である、1959年にアメリカのデュポン社が実用化してからです。日本では1963年にアメリカとの技術提携が行なわれた後に普及しています。

冒頭で申しあげたように、これらの特性を備えたウレタンは二軸ロール機にも使われています。硬度が豊富というところから、
エンボスが潰れない程度の硬度を使えば、応用範囲の大きい二軸ロール機が出来上がります。エンボス以外にも、柔らかい、という特性を生かし表面にキズが付けないことも可能となります。
今回ご覧になった方の中に、エンボスのある板を丸めたい、表面にキズを付けたくない、という製品がございましたら、ぜひ一度ご相談下さい。

営業Aさん「なるほど、ウレタンのあるロール機を使っているのか。ここなら頼めるかもしれない…」

今回はウレタンをご紹介いたしましたが、科学技術に関するシリーズは始まったばかりです。様々な科学技術を紹介していきますので、今後にご期待ください。