お客様FAQ vol.1

弊社ホームページのFAQは、お問い合わせに対する回答を端的に示すことを旨としています。これに対し、本稿ではダイジェストされる前の回答や詳細説明を記載。質問に対する回答の背景、FAQでは割愛された内容をお見せすることで、弊社の加工をより深くご理解いただけるようにしています。
リニューアル以降、ありがたくも以前より多くの方がアクセスくださるようになった弊社のWebサイト。このネットからのお引き合いで最も多くいただくご相談が「テーパーパイプ」の製作です。そこで今回は「テーパーパイプ」を記事に取り上げてみました。それではお楽しみください。

Q.テーパー形状(円錐型)のパイプは生産可能ですか。
A.生産は可能ですが、様々な制約があり、ご相談の内容によります。まずはお問い合わせください。

様々な分野で幅広くお使いいただける弊社の板巻きパイプ。自由自在な丸め加工の技術を応用してテーパーパイプの製作も承っております。しかしながら、テーパーパイプはその特性上、通常のストレートパイプとは製作サイズの限界や仕上がり寸法の精度が異なる、非常に仕事の難しい製品です。「テーパーパイプ」はなぜ作るのが難しいのか、どういった工程を経ているのか。それを簡単ながらご説明します。

通常テーパーパイプといえば、スピニングやプレス絞りなどで製作することが一般的ですが、小ロットでのご注文ではトータルでの費用が割高になることも少なくありません。

弊社でテーパーパイプを製作する場合、板材をレーザーカットで扇状に切り出し、こうして得た材料を丸めて溶接することでテーパー形状のパイプを製作しています。この製造工程の関係から、上下の口径のギャップが大きすぎる場合や全長が長すぎる場合、小径側のサイズがφ50を下回る場合には製作が極めて困難となります。ロール工程、溶接工程のそれぞれで設備に投入できなくなってしまうのです。真円度も、ほとんどの場合矯正加工ができないためにできなりが限界となり、精度は絞り加工品に比べるとやや劣ります。

反面、金型製作などの初期投資なしに製作可能な分、トータルでの費用を抑えることができる点に強みがあります。1点当たりの費用は通常の板巻きパイプと比べて高めとなりますが、小径側-大径側サイズの差異が少なければ、ストレートパイプに近い価格でお作りすることも可能です。小ロットでのテーパーパイプをご要望の際、径サイズの仕様により製作が難しい場合もございますが、まずは当社までお気軽にお問い合わせください。

いかがだったでしょうか。今後も様々な場面でいただくお問い合わせを記事にすることでみなさまのご関心を満たしていきたいですが、ご講読くださっているみなさまからも記事化のリクエストをいただけるとなお幸いです。それではまた次稿でお会いしましょう。

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