営業Pの科学技術解説(電気自動車_後編)

営業スズシロ「オークボ先輩、前に話した電気自動車のこと、覚えていますか?」
営業オークボ「そうだな、スズシロに話したよな」

(以下SOで表します)

S「ニュースを見たんです。去年ドイツがエンジン車の販売禁止に反対したんですって。イギリスもガソリン車の新車販売禁止を延期したとか」
O「去年から出ている話だな。EUでは以前からドイツは懸念を示していたらしい。まだ早いんじゃないか、ってな」
S「なぜドイツが…? やっぱりダイムラーを生んだ国としてエンジンを止めたくなかったんですかね。ご先祖様のバチが当たるって…」
O「ご先祖様って日本人みたいじゃないか…。そうじゃなくてドイツは自動車の有名メーカーが多くて、そこに雇用されている人が大勢いるんだ。その他の国も反対し始めたが、ドイツとの関係性だけでなく、雇用の問題もあるだろうな」
S「じゃあ、全員電気自動車の仕事で雇用すればいいのでは?」
O「いや、結構違う技術だし電気自動車の方が部品点数も少ないから難しいと思うな。もちろんこれは日本も同じだ」

S「そうですか…。だったらドイツは秘策でもあるんですかね。気球に乗って温室効果ガスを袋に詰めるとか…」
O「なんでそんなに原始的な上に効果が無いことをするんだ。そうじゃなくて、e-fuelという温室効果ガス排出をかなり抑えた燃料を使うらしいんだ」
S「e-fuelですか。その燃料はどんな風に”いい”んですか?」
O「言うと思ったよ、そのダジャレを。完全に抑えるわけじゃなくて、二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を原材料として製造する石油代替燃料のことで原料にCO2を使うから実質ゼロ、を目指した燃料だな。まあ、この場合減らしてはいないから、減らすには別の手立てが必要だろうけどな。だから日本の自動車メーカーがハイブリッド車の開発に力を入れ始めた。電気自動車が普及するまではまだ時間がかかるだろう、と思ってのことだな」
S「とりあえず、の手段ってわけですか。まあ、普及してもまだ電気自動車用のスタンドもあまりないですし」
O「だから中々普及の早さは上がらないし、普及しないと価格も下がらない。ガソリン車全廃は相当先だ」
S「じゃあ、今すぐ出来そうな温室効果ガス対策はとにかくエネルギーを無駄遣いしないことですね。だったら飛脚… いやさすがに無理なので馬車ですね」
O「馬車でも難しいだろ… どれだけ時代を逆行させるんだ…」