未然に防ぎたい行き違い ~材種指定での注意点~
お客様とのやりとりの中で生じる行き違いをテーマにした本稿。第一回目は製品のサイズ表記についてのものでした。同じパイプを取り扱っているのに、属する業界によってその表記が異なる点に着目してのお話でしたがいかがだったでしょうか。
さて、第二回目となる今回は「材料指定」についてです。どうぞお楽しみください。
★材料指定上のご注意
お客様のご要望に合わせたパイプが制作可能な板巻パイプ。当然、材料をご指定いただければ可能な限りはその素材でのパイプをお作りしています。
私たちが取り扱う材料の中で最も多い鋼種はステンレス。ステンレスは工業製品をはじめ、厨房器具類や建築資材など様々な分野で広く使われていますが、弊社では主にバイク・自動車のマフラー用部品、タンク部材、フィルターカバー、信号機フードといった製品にステンレスを使用。SUS304、SUS409、SUS430の3つをメインに、その他SUS316、SUS425、SUS436も扱っています。
一口にステンレスと言っても、その鋼種は大別するだけでもオーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系と非常に豊富。それぞれが異なる特性を持ち、用途に合わせて使い分けされます。さらに、同じ鋼種のステンレスでも表面肌の磨き目やビニール有り無し、バリ方向の指示などでさらに細かに仕様が分かれます。
ここまでご説明すれば概ねこれからの話の筋も予想していただけるかと存じますが、材料指定の際にも具体的な情報の明記無しだと行き違いが生じる恐れがあるのです。よく「ステンレス」、「SUS」とだけの表記の図面や見積もり依頼書をいただきますが、上述のように弊社で仕様を特定できない場合、大変申し訳ございませんがお電話にてこれをご確認させていただきます。
特に指定がなく、仕様を検討するのをお手間に感じる場合は外観品質重視なのか、コストパフォーマンス重視なのかお伝えいただければ、弊社でお客様に最適のご提案をいたしますのでご安心ください。
いかがだったでしょうか。本稿の内容がより便利に弊社をお使いいただくためにお客様のご参考となれば幸いです。ご講読ありがとうございました。