巻き起こる次世代自動車市場の競争
EV…電気自動車のこと。電気をエネルギー源とする。
FCV…燃料電池車のこと。水素と酸素の反応をエネルギー源とする。
燃料枯渇問題…石油が将来枯渇する可能性がある問題のこと。
その代替となるエネルギー源の確保が課題となっている。
かつて第3世代光ディスクでBlu-rayDVDとHD DVDが主流の座を争ったように、今次世代自動車でもEVとFCVが市場の覇権を争っているように見えます。環境問題や燃料枯渇問題から端を発し、世界規模で進められるエコ運動に連鎖して起こったこの戦い。果たしてどちらに軍配が上がるのでしょうか。
ガソリン車の3倍と言われるエネルギー効率をもつEVは、次世代自動車としていち早く市場に登場しました。価格も300万以下で購入可能なモデルもあり、家庭用電源でも給電可能な仕様。インフラの整備も着々と進んでなかなか身近な存在となりつつあります。問題とされる走行距離も、現在開発の進むリチウム空気電池が実用化されれば大きく改善されるでしょう。
一方FCV。後発の分、インフラの整備はまだまだ進んでおらず、なんと燃料補給施設の水素ステーションは全国で未だに81基。(新設には1基5億円)購入にあたってはトヨタのMIRAIが一台720万。購入の際は国からの補助金や減税がされて(我々の血税で)220万程度安くなりますが、それでもEVより高いのが現実です。また、生産台数は1日に3台。熟練工13人の手作業で生産されているとのことですが、こうなるともはや「市販されている実験車両」。
TOYOTAのHPには
【今後いただくご注文分の納期目処について】
「2019年(平成31年)以降の納期となる見通し」
の一文。
納車される頃には次期モデルが発表されているか、(すでに自動車業界ではMIRAIの次期モデルに関する情報が流れています)次世代自動車市場の趨勢が決している可能性すらあります。そもそも水素を生成するのに莫大な電気を消費し、その生成過程で二酸化炭素を大量に発生させることになるFCVは全然エコではないとの指摘もチラホラ。
さて、不利を承知で戦いを挑んだFCV陣営は今後巻き返しのためにどのような手を打って来るのでしょうか。目が離せません。