テーパーパイプの製作に必要なことは?
テーパーパイプ承っております
弊社ではテーパー(円錐)形状の板巻きパイプの製作を承っております。お客様からのご注文やお問い合わせを多くいただいている形状ですが、今回は改めてテーパーパイプの製作方法、製作に際しての条件、ご注文の方法について解説いたします。
各製作方法の特徴
以下4つが大まかなテーパーパイプの製作方法となります。
①板金加工での製作(レーザーブランク・ロール曲げ・溶接)
形状・材質は比較的自由で、少量多品種に向き、ハラサワ内で可能としている方法です。しかし、小径鋭角の製品が作り難く、サイズによっては製作が難しい場合があります。また、ほぼワンオフ的な作業となるためコストパフォーマンスは他の方法より劣るという点も注意です。
②スウェージング加工での製作
板金加工での製作とは反対に、小径鋭角の製品を作るのに向く方法です。しかし、大径広角の製品の製作を不得意としています。製品の形状及び精度は金型に依ってしまう加工ではありますが、多品種かつ量産的な案件でも問題のない高い対応力を誇る方法です。
③スピニング加工(ヘラ絞)での製作
形状・材質は比較的自由という長所がウリですが、厚板や小径・長尺といった製品の加工が不得意という短所を持っています。大径広角の製品を作るのに向いている方法です。また、多品種かつ量産的な案件への対応力があります。
④プレスでの拡げ/絞りによる製作
量産の案件を最も得意とする方法です。しかし、製品の形状及び精度は金型によってしまうのだけは注意が必要です。また、全長がプレスストローク以上の製品や、小径側と大径側の差が大きな製品は困難となります。
サイズ及び製作の注意点
最初に加工可能な板厚は0.5ミリ〜1.6ミリまでです。板厚が厚くなるほど、加工難度が上がり、対応が難しくなります。次に全長サイズは材料の硬さ、径サイズに大きく影響されます。硬い材料、小さい径でテーパーパイプを作ろうとした場合、全長は短いものに限定されます。
小径サイズの最小径はφ50ミリまでとなり、この基準から外れるサイズの加工は通常、弊社ではご対応が困難です。これは、ロール曲げが困難であること・溶接時に使用する設備が非対応という理由が挙げられます。
ご注文方法
テーパーパイプをご注文する際に必要となる要素は、①材質、②小径側のサイズ、③大径側のサイズ、④板厚、⑤全長の5点です。この他追加の仕様として、鋼板の表面仕上げ、保護ビニールの有無、未溶接部の有無を選ぶことができます。他にパンチングに関する指定、スラッシュカットなどの形状に関する要望など、細かな指定についても相談を承らせていただきます。ただし、真円度はできなりの精度となり、真円度矯正ができませんのでご注意ください。
今回はテーパーパイプに関して解説させていただきました。上記の内容は弊社のテーパーパイプのページでより詳しくご覧いただけます。
製品事例なども併せて掲載しておりますので、ぜひご参考ください。