新卒採用戦線報告書2014
2014年度の新卒採用もあとは入社を待つだけとなりましたが、いかがだったでしょうか。多くの中小企業が学生の獲得に苦戦したのではないでしょうか。以前であれば春先に大手企業、夏以降に中小企業というように、新卒採用における採用時期はある程度棲み分けられていたためそれぞれの企業にとって学生へアプローチの取りやすい環境が整っていました。
しかしながら近年になってこの秩序が崩壊しつつあります。採用時期が重なり合うことで、労働市場において圧倒的優位を誇る大手企業と競合することになった中小企業とって、今は極めて難しい状況と言えるでしょう。弊社でも学生の応募数自体が年々減少傾向にあり、今年度も非常に厳しい採用となりました。幾度か参加した合同の説明会や面接会も、大手企業と中小企業の採用時期の棲み分けがなくなった影響からか、参加する企業にも知名度の高い企業が混じり、学生の人気が二極化しているのが散見されます。選考段階や内定後でも辞退の申し込みが過去最悪の結果となりました。
こうした中、様々な点で大手企業より劣っていると見られがち、思われがちな中小企業は、学生の応募を待っているだけの採用方法をしていてはとてもこの競合に打ち勝っていけません。さらに、就職解禁日が後ろ倒しに変更されることやブラック企業の風評被害もあって、今後はますます学生の獲得が難しくなることが予想されます。これからの労働市場においては大手企業との競合を前提に採用を考えねばならなくなりますが、今御社ではどのような対策をお考えでしょうか。
中小企業側がとり得る方法を考えるに、方向性として以下の3つの案が考えられます。
① | 競合状態に影響を受けない採用方法の開発・実行 |
② | 競合に負けない自社づくり、魅力の強化 |
③ | 採用上の苦境は棚上げに、取り敢えず人が雇えれば成果を挙げられる仕組みを作る |
①は縁故採用に代表されるように、実は中小企業にとってお馴染みの方法です。②はどの企業も心掛けてはいますが、完璧な実現に至らないことの多いように感じられます。③は大手が最も得意とする方法と言えるでしょう。トヨタの生産方式はその代表とも言えます。どの方向性で、具体的に何をするのか。それは各社各様でしょうが、自社の実像とそれを取り巻く外部の状況を見極めつつ、適切な判断のもとに計画を定め、それを確実に実現していかねばならないのは間違いありません。
今後もメールマガジンを配信する中で採用コラムは掲載していきますが、今回の3つの方針に当てはめて読んでいただけるとこの課題をお考えになる上でよりお楽しみいただけるかと思います。それではどうぞお楽しみに。