【ハラサワ採用物語】vol.1
―ハラサワ初の新卒採用―
それまでのハラサワは大量生産品部門の事業の殆どを外国人労働者に頼っていました。しかしその作業員たちが突然帰国してしまいました。丁度その時既存品の受注増大や新規事業の立上りにより空前の繁忙期を迎えていたハラサワは、深夜残業や休日出勤は勿論の事、社長や事務員も総出で現場作業に従事しましたが、とても追いつける仕事量ではありませんでした。なんとか納期に間に合わせることはできましたが、「このままではいつか大切なお客様に迷惑をかけてしまう・・・」と、早急にハラサワの目線で仕事をしてくれる人材を育成しなければと考えました。
そこで社長の指示により勉強会メンバーで『ハラサワの求める人物像』を絞り込み、「若い人」「それも新卒」 更に車・バイク好きであれば定着率も良いであろうと考え、四月採用にもかかわらず無謀にも、その年の二月から自動車整備専門学校の訪問を始めました。
訪問先の就職課の先生には当然次年度の採用と勘違いされましたが、社内で作成した学生受けしそうなポスターを持ってハラサワの現状や新卒社員採用の経緯を説明し、就職の決まっていない学生に声を掛けて頂いた結果、なんとか三名の学生と面接をする事になりました。
ピリピリしたムードの中で面接をしても本人達の人柄や考えている事はなかなか解りづらいので、友達や少し年上の人と話しをしているような雰囲気作りを心がけました。(それでも本人達はかなり緊張していたらしいですが)
面接後三人の優劣がつけ難く思い悩んでいると、社長から『何かの縁があって面接に来てくれたんだから、みんな採用すればいいじゃないか』。
その一言で、新卒社員として三名全員の採用が決定しました。当時のハラサワは社員十名にパート七名、社員の増加率だけ考えれば二十五%増しです。今まで一人の新入社員だけに仕事を教えた事はあっても、同時に三人は初の試み。そこで急遽勉強会の案件で取りあげ、社内の受け入れ態勢をメンバーで考える事になりました。
(以下次号)