メタルレポート vol.1

株式会社ハラサワの得意技、「金属板を丸めて、板にする」こと。
しかし、一口に金属といっても特性や価格は本当に様々で、使用する用途により最適な材質はそれぞれ異なります。
ここでは、弊社で特によく使う金属をご紹介していきます。第一回目は「ステンレス」です。

ステンレスとは?
“ステイン(Stain:しみ・汚れ)” と “レス(Less:少ない)” との造語で、
材質記号は「SUS(サス。Steel Used Stainless:錆びの少ない鋼材 の略)」です。
鉄に、少なくとも12%以上のクロム(Cr)を配合することで錆びにくくした合金を指します。

ステンレスの種類
まず、大きく「磁石につくもの(クロムのみ配合):400番台」と「磁石につかないもの(クロムとニッケル(Ni)を配合):300番台」に分かれます。
400番台の代表的な物は 「マルテンサイト系」と「フェライト系」、300番台の代表的な物は「オーステナイト系」があります。
また、炭素量を低減して耐食性を高めた「ローカーボン材(記号の最後に ”L” が付く。例:SUS304L など)」は、少し柔らかめの材料で価格も上がります。

なぜ錆びにくい?
「錆」は、鉄と酸素が結びついた “酸化鉄”。
鉄にクロムを配合すると鉄よりも先にクロムが酸化し、それにより鉄の表面にクロムの酸化皮膜(『不動態皮膜』)ができます。この作用で “鉄が酸化しにくくなる = 錆びにくくなる” のです。

取扱上の注意
ステンレスに塩素は大敵!
ハイターなどの次亜塩素酸ソーダの漂白剤を使ったり、梅干などの塩分の強い物を直接置いたままにしないでください。
また、錆びた鉄を置いたままにしても、もらい錆びしてしまいます。

材質表

※粒界腐食
ステンレスに500~850度の熱を加えると、炭素とクロムが化合し、クロムの酸化皮膜である不動態皮膜が薄くなるため、そこから 錆びてしまう現象。

上の表の黄色い枠は、弊社で最もよく取り扱う番号です。きっとお役に立てると思いますので、何かございましたらお気軽にご連絡ください!